大河内 敦の裏blog(番外編)

広告会社に勤める一級建築士の断食経験とその後。

12月15日 ツアー六日目

朝から、昔独身時代に住んでいた百合ヶ丘と、新婚時代~関西転勤が決まるまでの半年間だけ住んでいた玉川学園前の今の様子を見て廻る。複々線化で近代化された小田急線だが、多摩川を超えて向ヶ丘遊園あたりから先は昔とそんなに変わっていない。住んでいたアパートやマンションもそのままだった。

     f:id:ats-forldn2012:20220102144452j:plain f:id:ats-forldn2012:20220102144502j:plain


                   ●

午後からは、大学時代からお世話になっていた、下北沢にあったバーのママのところにご機嫌伺いに行く。今年80才になり、数年前にお店の方は人に譲って引退した。今では妹さんと息子さんの三人で経堂に一軒家を建てて暮らしてらっしゃる。

昔からオシャレなおば様で、何事にも力の抜き加減と言うのを理解してらっしゃるカンジがあった。田舎者でついつい頑張ってしまう私のよきアドバイザーだ。ニューヨークが大好き。二度ほど現地でフラットを借りて住まれていたこともある。大学の先生にお会いした時のことを書いた際にも述べたことだが、ママも非常に東京的な方である。

下北沢と言うところは、演劇の様なサブカルが集積していて集客が出来ている一方で、住宅街も近いので、固定化した客層がいる。小田急線沿線に住む若者が下宿に帰る前にちょっと途中下車、というパターンだ。私は大学時代仲の良かった友人のアパートが隣の東北沢にあり、その頃彼と良く通って話相手をしてもらっていた。味のある大人のかっこいいママだ。このママのファンを話し相手に固定化した客がバーに集まる。みんな小田急線沿線住民。顔見知り。

1990年代、バブルが終わり殺人的な忙しさも一服し、でもバブル時代の仕事の経験を生かして丁寧にレベルの高い仕事に取り組める様になった。百合ヶ丘に引っ越したのを機に、再びこのお店に通いだし、その顔見知りの一端に加えてもらえるようになった。~ 会社と無関係な顔見知りがいるお店と言うのは、極めて居心地がいい。会社では出来ない恋愛の話も、おおっぴらに相談できる。精神的につらいときもずいぶんと助けてもらった。

駅前で落ち合い、すずらん通り沿いのモダン和風なお蕎麦屋さんで昼食、その後、地下のライブハウス風のお店でコーヒーを飲みながらママとお話しした。

  f:id:ats-forldn2012:20220102145607j:plain  f:id:ats-forldn2012:20220102145623j:plain

さすが、お店のチョイスがGoodである。やはり、私のかっこうが大学時代に戻った様だという話になる。そして、その時の友達の様子、最近の若者について、など。ママは今でも世田谷から青山の美容院まで歩くほど元気だ。

ご自宅に伺い、お茶をいただきながら今後の私の身の振り方、再就職についてなどを報告した。帰り際にお祝い代わりにということで、最近ママが読んで大変良かったという本をプレゼントしてくれた。 ~ 主人公が建築家だ。

今回のツアー・東京最終日にこのママとの面会を持ってきた。会社や大学と関係ない、カジュアルな関係性で成立していた会話といったものをもう一度追体験してみたかった。そして、頭をよぎったのはやはり "オシャレでありたい" という事だった。~ 頑張りすぎない、待つことが出来る、でも、それって実はパワーがいることなのだ。

ホテルに戻る前にコーヒーショップでサンドイッチとコーヒーをいただき、それを夕食代わりにした。連日のお酒で疲れた胃を休ませたかった。明日は名古屋だ。