3月4日 - 断食3日目
今日は雨だ。この季節は雨が降るごとに空気が入れ替わり、寒くなったり暖かくなったりする。今回は寒くなる方の雨だ。
手首の方は、痛みは残るものの特に昨日からひどくなった様子もないため、このまま様子を見てれば治ると判断。頭痛も胸やけも無い。身体が断食モードに入り、体内の脂肪を使い始めたのかもしれない。
先生から、「断食は冬の方が効率が良い」とのお話をいただく。寒いと、体温保持のため、身体が積極的に体内の脂肪を燃焼させようとするかららしい。確かに、前回の断食で出た身体の反応、すなわち、眠め、頭痛、胸やけ、そしてそれらが楽になるプロセス全体が前回より早く進んでいる様に思う。通常だと、一番つらいのは3日目と言われているが、昨日と比べると割と平気に過せている。
今日も朝からテレビを見たりして過ごすが、やはり昼過ぎに眠くなる。寒いのも手伝って、布団に入りそのまま二時間ほど寝てしまう。
雨は降り続いている。夕方、濃い霧が出始める。
仕事のメールが何件か飛び込んでくる。自分が生駒の山にこもっている間にも、仕事の現場は動いている。それらに加え、今はコロナ対策が加わっている。いくつか意見を述べたりアドバイスしたりといったメールをやりとりしながら、夜を迎える。
雨は一度止んだが、夜半にまた降り始めた。
3月3日 - 断食2日目
今日も、いい天気だ。
頭痛も胸やけも機能と比べるとかなり楽になった。昨日は頭痛がして石油ファンヒーターの石油の臭いがダメで点けられなかったり、ヘッドホンで音楽を聴きながら本を読んだり出来なかったが、今日はできる。
明日から雨らしいので、今日のうちに洗濯をしておこうと朝7時前に洗濯機を回し、洗濯物を干す。
昼過ぎに乾き具合をチェックしていると、足を踏み外して、1m位の段差を落下。幸い受け身が効いたのか少しの擦り傷で済んだが、受け身をした右手首が少し痛む。
年をとると、身体の反応が遅れてやってくることが良くある。明日、腫れたりしていなければいいが。
この日も早く寝た。
3月2日 ― 再・断食初日
ぐっすり寝て、朝、奈良の町を見下ろす。いい天気だ。
朝7時半~ 朝の礼拝に参加、そのあと、テレビを見たりしているとあんなに寝たのに、また、眠くなる。
人間というのは、〇〇しなければならないという段取り意識から解放されると眠くなるものらしいのは、前回の入所にも感じたことだ。( → https://ats-forikoma2019.hatenablog.jp/entry/2019/05/05/050000)
結局、また布団に入り寝てしまう。
この日は布団の中で1日の大半を過ごしていたが、お昼過ぎたころから、前回もあった頭痛と胸やけが起こる。頭痛は食べないことによる脳の糖分不足、胸やけや吐き気は食べないことによって胃が小さくなって、胃酸がせりあがってくることに起因している。( → https://ats-forikoma2019.hatenablog.jp/entry/2019/05/06/050000)
夕方の礼拝に参加すると、身体が熱くなってきた。熱かな、とも思う。人間食事をしないとむしろ寒くなるのだ。(普段、あまり意識しないが、人間の体温は食事後上がっているはずである。)
先生に毛布をもう1枚借りて、頭痛への対処法として水を飲むこと、但し、一気にたくさん飲むと、胃酸がもっと上に上がってくるので、少しづつこまめに、という指導を守り、チビチビ水を飲みながら、この日も8時過ぎに寝てしまう。
今年1,2月の体重の推移
私は、出張、帰省、旅行など、外泊すると体重が増える。これは、外食が前提になることで、食事の選択の幅が狭まり、また、出先での解放感も手伝って、飲み食いが進んでしまうことに起因する。
グラフの空白部分は、出張などの出先で体重が量れなかったことを表しており、その空白の後に棒グラフがガンッと伸びている様子がお分かりいただけるかと思う。
最大の体重は出張明け2月28日の84.10kgだ。これは、2週間の出張明けの体重である。昨年の断食後の最低体重から約12kgの増、もちろん最高記録である。
月別の平均体重も、1月77.32kg 2月78.84kg。約1.5kgの増。
今まで、食べ過ぎても翌日コントロールして体重をキープしてきたが、1週間~2週間連続の出張となると、なかなかコントロールが効かない。
令和2年 3月1日 - 静養院 再入所
突然だが、静養院に再入所することにした。 ~ 理由は、しばらく出張・現場続きで自己節制がうまく出来なかったのと、その代休消化で自由な時間が出来たからだ。
2月に二週間ほど東京で現場管理の出張があった。ホテルの朝食バイキング、日々の現場仕事が終わった後の解放感、もちろん食事は外食ばかり。出張から帰宅して体重計に乗ると84㎏を超えていた。これは、昨年5月の断食前の体重である。それ以前の年末・年始も、正月太り気味であった。14日間の断食から半年、体重はキープ出来ていたつもりであったが、戻るときの速さに驚く。とはいえ、出張前からある程度予想はしていたのだが。
2月は祝日が多く、休日出勤もかさんでいたので、3月に入って一気に代休を消化しなければならなかったのだが、特にやりたいことがあるわけでもないので静養院の寺井先生に連絡をとって、再入所することにした。前回の入所で感じたことなど、いろいろ思い出すこともあるだろう。生駒駅からケーブルカーに乗り、宝山寺駅で下車、重い荷物を持って、参道沿いにゆるゆると階段を上る。
参道の階段を上り切ると静養院が見えてくる。
10時半ごろに到着。入所後、出来るだけすぐ断食を始めたかったので、準備食として、昨日は自宅で梅干しとおかゆで過ごし、今朝は梅干しと重湯で済ませている。そのことは事前にメールでお伝えしていた。で、先生から、明日から早速5日間の断食開始の提案があった。通常、断食期間よりも回復食の期間を長くとる必要があるため、せいぜい4日間と思っていたのだが、よかった。5日間というのは、私が20年前に初めて断食した時と同じ日数で、一応効果が出る最低日数と言われている。
お部屋に案内される。前回のお部屋と並びの小ぶりなお部屋。前回同様、日当たりも眺めも良い。前にも書いたが、断食中は気分が滅入りがちになるので、日当たりのよい眺めの良いお部屋というのは、ありがたいのだ。
部屋で荷物を拡げてパソコンのwi-fi接続やらメールチェックやらをしていると、ウトウトしてしまう。早くも静養院入所スイッチが入ったか。この日は、9時前に布団に入り朝までぐっすり眠ってしまった。
断食後、半年間のまとめ。
5月28日に断食療養所を退所してから、11月末で半年が経過した。その間の体重・体脂肪率の変化を書いておきたいと思う。
断食前を含めた月別の体重と体脂肪率の平均値の推移は、以下の通り。
9月以降、体重、体脂肪率、ともに増加傾向にありながらもリバウンドという程のこともなく推移している。
以前説明したが、体重・体脂肪率の減少は、断食中ではなく断食後しばらく経ってそのピークが訪れる。今回、体重・体脂肪率の減少のピークは、断食終了後3ケ月目の8月だ。(断食中はそれに比して、体重の減少と並行して体脂肪率の方はむしろ増加傾向になる。)
これは、断食により胃が小さくなり、また味覚も敏感になることで、少量の食事でも満足が得られるようになる一方、退所して通常の生活に戻ることで、運動量やカロリー消費量は断食以前の状態に戻ることからだと考えられる。やがて、胃袋の大きさも元に戻り、飲酒も始めることで、体重も体脂肪も少しずつ元に戻り始める。
体調はというと、断食直後はやはり摂取カロリー不足からか、疲れやすかった様に思えたが、今はすっかりそういう感覚もなく、週二回の筋トレも行えている。ただ少し寂しいのは、断食終了直後は食事量こそ少ないものの何を食べても美味しく、食べ物を口に含むとその滋味が身体に浸み込んでいくような感覚に襲われたものだが、今ではあまりそういうことが無くなってしまったこと。食べたいものを食べたいだけ食べられる状態になったが、朝、断食以降愛飲している豆乳ラテを飲んでいて、ふとあの時の感覚を忘れてしまっていることに気付いたりする。
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人間というのは習慣や段取りで動いていることが多い。朝起きて、朝ご飯を食べながら電車の時間を気にし始め、電車に乗ったら乗ったで今日の仕事の段取りを考えている。会社に向かう道すがら、食べ物屋さんの前を通りかかると、今日は昼飯に何を食おうか考えてたりもする。 ~ 全て、今から先の「段取り」の話だ。そういった生活意識が「習慣化」している。
断食療養所に入ったことで、胃腸を休めさせたこともさることながら、一切段取りや予定のない日々を一定時間過ごしたことに意義があったと思う。 ~ いざ、「習慣の世界」に戻ってくると、普段無意識に行っていることにも「意識的」になる様に思う。食べ物のおいしさにも今まで以上に気が付くし、食べる量についてもおなかの満腹度合いに敏感になる。普段は、あまりこういったことを「意識せず」に、「習慣として」食べている度合いが高いのだと思う。
どちらがより望ましい精神状態かというと、やはりわたしは何事にも「意識的」でありたいと思う。リバウンドより何より、この習慣に流される生活に戻ることを私は恐れる。14日間の断食をする機会というのは、あまりないが、時期をみてまた、3日~5日程度の断食はしてみたいと思う。それだけでも、いろいろなことを思い出し、現在の自分の生活について気が付くことが多々あるだろう。
熟成肉をいただく。
にわか収入があった。で、熟成肉を食べに行くことにした。このblogのテーマからは外れるが、貴重な経験だったので記録しておこうと思う。
ことの始まりは、ワインスクールが縁お友達になった、心斎橋で100年続くすき焼き屋さんの若社長がベタ褒めしていた長居の熟成肉のお店に興味を持ったことだった。老舗のすき焼屋のご主人がおいしいという肉なら、さぞかし美味しいことだろう、と、ネットで調べてみると結構なお値段である。しばらく躊躇していたのだが、廻りに聞いてみると知ってる人もいたりして、熟成肉では有名なお店の様だ。
11月限定のシャトーブリアンの食べ比べコースというのがあり、基本、コースは2名からの予約なのだが、これについては1名でも予約可能とのこと。あまり一人で行くのに混んだ時間に行くのは気が引けるので、開店時間の17時半に予約を入れた。当日、会社を早引けして、にわか雨が降って生暖かい夕方の街に飛び出す。
開店ちょっと前にお店に到着。テーブルの準備ができるまで、エントランスで待たせてもらう。ガラス張りの冷蔵庫に熟成中のお肉の塊が並ぶ。新しいものはまだお肉の色をしているが、時間がたったものは灰色に変色している。冷蔵ショーケースには、テイクアウト用のハンバーグやローストビーフがレトルトパックされたものが置かれている。
店主は本も出されている様だ。
テーブルに案内してもらう。オープンキッチンに向かった三人掛けのカウンターを独り占めさせてくれた。ニューヨークテイストのアートっぽいインテリア。
最初にスパークリングワインをグラスで頼み、前菜が出るまでの間に出された香川県産のオリーブとともにいただく。
最初にシェフが今日使うお肉をみせてくれる。
食べ比べるのは繁殖の役割を終えた「経産牛」と、若い「処女牛」の二種類。赤身主体のお肉だ。
このお肉を使っての、メインディッシュの調理が始まる。カットされた熟成肉は更に周辺の灰色になった部分が切り取られ角ペールに捨てられる。肉は、あっという間に半分ぐらいの大きさになる。少し勿体無いな気がしたが、カビが生えたりしていて食べられたものでないらしい。ただ、コンソメの出汁を取るにはいい材料になるとのこと。
目の前の炭火でシェフがお肉を焼いてくれる。
通常の焼肉なんかと違って、脂が滴らないので煙はほとんど出ない。ジュージューといった音もあまりしない。ただ静かに、プルプルと柔らかそうに揺れる分厚い肉の塊が、遠火の炭火でやさしく加熱されていく。しばらく丁寧に裏表が焼かれたと思うと、火から離され、アルミホイルで包まれて、肉はしばらく放置される。
その間、最初に生肉の前菜。
熟成させてないフレッシュなお肉のユッケと、熟成肉のお刺身。塩とわさびでいただく。昨今ユッケは食べる機会がなくなってしまったが、こちらのお店では、保健所の指導に従った調理法を行うことで許可をもらい、生肉を提供しているとのこと。
次に肉と一緒に焼かれた松茸が入ったコンソメスープが出された。
松茸は土瓶蒸しくらいでしか、あまり食べた経験がない。もちろんコンソメとのマリアージュは初めて。最初にお箸で具の松茸だけをいただき、最後にスープを飲む。 ~ 松茸とコンソメ、素晴らしい相性だ。コンソメの旨味に松茸の香りがベストマッチ、奥行きのある味わいになる。
しばらくすると、シェフがまた戻ってきて、アルミホイルからお肉を出して、また焼き、また包んで放置する。都合これを三回繰り返し、最後にいい焼き色が付いたシャトーブリアンは、トリュフと焼きトマトを添えられて、メインディシュになる。
お肉が柔らかく旨味がたっぷり。そして甘い。飛び切り新鮮なお刺身や、しっかり育てられた野菜もそうだが、チャンとした食材というのは「甘い」。あと、酒粕の様な発酵臭がして、しっかりとした旨味に力強さを添える。二種類のお肉の食べ比べた印象としては、「処女牛」の方は当然柔らかく、旨味もさわやかでヌケがいい。一方「経産牛」の方も年を取っているとはいえ十分に柔らかい。味わいは「処女牛」と比べると旨味が複雑だ。どちらも十分美味しいが、どちらかというと「経産牛」の方が好みかな。
お肉だけで酔っ払いそうな気分になる。それほど、しっかりした味わいのあるお肉。そのしっかりしたお肉に、スペインのしっかりした重たいワインを合わせていたただく。
で、しっかりしたお肉にお酒も進み、結局ボトルを一人で一本空けてしまった。あまりお酒は強くないのだけれど。
〆の一口カレーとスウィーツをいただき、店を出る。
酔いがまわってまっすぐ歩けない。でも、しんどいわけではない。
一軒で物足りなくなってもう一軒飲みなおし行きたくなったり、〆のラーメン食べたくなったりといった事もない。それだけ充実した食事だったということだ。まっすぐ家に帰り幸せな気分で九時半に寝てしまった。